トラファルガー広場からの風景。デモのため、旗を掲げるひとが多く見られる。
武装した警察官によるケトリングの真っただ中。ゴミ箱もひっくり返されている。
メインストリートの真ん中で燃やされるデモの残骸。
2011年3月26日土曜日、ロンドン市の中心部で英国労働組合会議(TUC)が主催する大規模なデモ行進が行われた。
デモはイギリス政府の歳出削減に反対する労働者たち(教師や学生、国営医療制度「NHS」のスタッフ、自治体の公務員など)によって行われ、およそ25万人から50万人の参加者が記録された。この参加者数は2003年のイラク戦争に反対するデモ以来の規模。労働者による集会は午前10時ごろからはじまり、深夜にかけて暴徒化した人々と警官隊が衝突。英BBCテレビによると、214人が逮捕され、警官13人を含む66人が負傷した。
正午にはじまったデモ行進。ドラムやクラリネットの生演奏にのせて行われ、活気溢れるものとなった。さらに午後2時から、オックスフォード・ストリート近くの公園、ハイド・パークにて労働党党首、エド・ミリバンドによるTUCの活動を支持する演説が行われ、パレードは平和のうちに終わったかのように思われた。
しかしその後、一部の無政府主義者が暴徒と化す事態に発展。銀行や高級百貨店のフォートナム&メイソン、大手衣料品チェーン、トップ・ショップなどが標的となり、ガラス窓が割られ、カラーボールが投げつけられるなど、一時街はカオス状態に。いつもは観光客やショッピングを楽しむ人々でにぎわうピカデリー・サーカス、オックスフォード・サーカスの大通りは、一般車の交通が全て禁止され、警官とパトカーで埋めつくされた。
夜7時ごろ、警察のケトリング作戦(大量の警官が自ら壁を作り、暴徒の大群衆をひとつの場所に追いやり、狭い出口をひとつだけ残してそこからしか出られなくする策略)により、暴徒はトラファルガー広場に集められた。行き場をなくした人々は、その後も広場に残り、ゴミでたき火をはじめたり、大音量で音楽を流すなどお祭り騒ぎを続けた。最終的に街が静けさを取り戻したのは深夜の3時。大量のデモの残骸を残していったが、暴徒たちも帰途についた。
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