2010年4月20日火曜日

ロンドンブックフェア報告


大変なことになっています、ロンドン。15日から始まったアイスランド火山噴火にともなう空港閉鎖のため、ヒースローを始めイギリスの空港はすべて閉鎖。そのため今日からのロンドンブックフェアは深刻な影響が心配されました! 中止かな、と思いきや、ロンドンブックフェアの主催者は一貫して「やります!!」宣言。やりますはいいけど、行ってみたらからっぽでは? と思いつつ開催日を迎えたのでした。でも、行ってみてびっくり。結構恰好がついてるんです。もちろん、欠席ブースはありましたが、それでも大手のブースはみんなオープンしていて、ロンドンブックフェアの意地を見た気がしました。
ブックフェアでは盛んに「eパブリッシングの現状と未来」をテーマにセミナーが開催されていました。イーザーと言う仲介業者が「ケータイ電話で小説を発信するのは世界初!!」などとぶち上げているのを聞くと、「知っててウソついてるでしょ」と絡みたくなります。本当に日本の出版界はもっと世界にアピールしなくちゃ!
みんなどんなプラットフォームに乗っかるのがいいのか、虎視眈々と見ているという感じです。ケータイでは世界の一歩も二歩も先んじている日本の出版市場についてセミナーやったら満員になりそう。
また自費出版の著者に向けたマーケティングとPR講座っていうセミナーに行ったら「自費出版物の広告を有料でやります」という新商売だったりしてびっくり! しかも満員! 本を書きたそうなお年寄りが多かったです。うちも「あなたの本を日本語で出版しませんか」というビジネスをやったら儲かりそうでした。
あすも引き続きブックフェアに行ってきます。
ちなみに、イギリスの空港規制は明日未明まで延長されました。そのためブラウン首相は航空母艦など3隻をスペインに送り、15万人とも言われる「帰国できないイギリス人」の救出に乗り出しました。選挙を前にして、かなり票を稼いだかも? いやいや、一日も早い帰国をお祈りしまーす。

2010年4月19日月曜日

iPadで楽しむ不思議の国のアリス

 4月12日に発売された、iPadで読む『不思議の国のアリス』。ルイス・キャロルによる原作の絵本が楽しめるアプリで、iPadを傾けるとイラストが 変化するインタラクティブな機能が話題を集めている。お値段は8.99USドルとお手頃。同アプリを制作した Atomic Antelopeによるこちらのユーチューブ映像は、約80万のヒットを記録している。

2010年4月13日火曜日

Bad Company Concert





ロンドンの西部に、東京ドームのようなコンサート会場があります。サッカーファンならご存知かもしれませんがウエンブリーアリーナというところです。そこで、4月11日日曜日に、バッドカンパニーが久々の再結成で一夜限りのロンドン公演を行ったのです。コンサートの関係者の方からチケットをいただき、いってまいりました!前座で演奏したのが、バドカンのリードヴォーカル、ポール・ロジャース氏の息子のスティーブン・ロジャーズ氏。アコースティックの癒し系の調べにうっとり。お父さん譲りの歌唱力で最後はアカペラの曲まで披露し、大喝采を浴びていました。さてお次がエアロスミスのギタリスト、ジョー・ペリー氏とバックバンドの登場。さすがにギターの腕はすばらしかったけど、歌はいただけませんでした〜。彼のワンマンバンド過ぎて、他のメンバーが影みたい。自己主張しすぎるとバンドとしての魅力が出ませんて。あれならカラオケバックでいーじゃん、と隣のイギリス人が言ってました。さてさて、トリはお待ちかねバッドカンパニー! そのときスティーブン・ロジャー氏の妹ジャスミンがやって来て我々をステージ袖まで連れていってくれたのです。ステージ袖でバンドを見るなんて初めての経験に胸が高鳴りっぱなし。と、何とそのとき、隣に見覚えのある人が立っているではありませんか!ジミー・ペイジ!!キャ〜生ジミーです! ジャスミンが紹介してくれて、握手、ハグ! そして証拠のツーショット写真まで撮っちゃいました!!ステージではポールが“All Right Now"を始め往年のヒット曲を熱唱、ウエンブリーという巨大な会場に歓声がこだまします。それにしてもステージのすぐ裏には大型のトラックがアンプ類や照明をすぐに運べるように待機しているなど、ステージ裏を見ていろんなことがわかりました。ステージ脇で世界トップクラスのバンドを見るなんて、イギリスならではの贅沢な時間でした!

Event Timings:
Stephen Rogers - 19.30 - 19.50 (Acoustic)
Joe Perry Project - 20.00 - 21.00
Bad Company 21.20 - 23.00

2010年4月12日月曜日

アリス・イン・ワンダーランド インタビュー

ディズニーの新作映画『アリス・イン・ワンダーランド』。日本での封切りは4月17日ですが、イギリスでは3月5日から公開されています。物語の舞台ということもあって、イギリスではかなりの注目を浴びています。GBロンドン支社では、映画の撮影現場でドレッサーを勤めたマルコ・デ・マグルアエスさんとの取材をゲット! 銀幕の裏側を語っていただきました。

GB: 現場でのお仕事についてお聞かせください。

マグルアエスさん (以下M):ぼくはドレッサー、つまり、出演者たちに衣装を着せる仕事をしているんだ。アリス・イン・ワンダーランドでぼくが担当したのは、イギリスのコーンウォールで撮影された映画の冒頭部分。アリスがウサギの穴に落ちて、ワンダーランドに行く前のところね。ぼくは300人のエキストラに衣装を着せたんだ。

GB: 300人は大変ですね‥

M: うん、はっきり言って地獄だったよ(笑)。イギリスだと普通、エキストラはエージェントにプロを派遣してもらうけど、今回はオーディションで決めたんだ。現場の近所に住んでいる素人の人ばかりでね‥ 最初はみんなやる気だけど、疲れてくると文句ばかり! 

GB:アリス役のミア・ワシコウスカさんの衣装は?

M: ぼくは男だから、男性しか担当しないんだ。 ミアのドレッサーはハリウッドの現場も担当した女性だったよ。

GB:衣装デザイナーのコリーン・アットウッドさんも現場にいらしたんですか?

M:2週間続いた撮影のうち、最初の3日間はコリーンも参加したよ。

GB:コリーンさんと一緒にお仕事をされて、どういう印象を受けましたか?

M: コリーンはすごく真面目な人なんだ。メインキャストはもちろんのこと、エキストラひとりひとりの衣装も入念にチェックしていたよ。自分の描いたイメージが実現されるまで、絶対に妥協しない。と言っても、ぼくやほかのスタッフの意見もきちんと聞いてくれる人だった。監督(ティム・バートン)にもすごく信頼されているようだった。

GB:ティム・バートン監督はどういう方でしたか?

M: ティムにもとてもいい印象をもったよ。スタッフとコミュニケーションを取ることをすごく大切にする人で、ぼくも話しやすかった。現場でティムは常に走っていたよ。限られた時間の中、いい映像を撮るためにだれよりもたくさん動いていた気がするよ。

GB:撮影中、トラブルなどはありましたか?

M:トラブルというほどではないけど、ぼくが担当したエキストラたちは衣装の替えがなかったんだ。2週間、毎日同じ衣装を着るわけだから、当然臭いが気になってくるよね‥ でもウォッカと水を混ぜたものを服の脇のところにスプレーすれば、ぜんぜん臭わなくなるんだ。

GB:ドレッサーの知恵ですね! アリスの衣装は臭わなかったんですか?

M:アリスは衣装が5着あったから大丈夫。そのうち一着はダメにしてしまったけどね。映画の中ではアリスがウサギの穴から戻ってくると、ドレスがボロボロになっているんだ。だからドレスをわざと汚したり破ったり、もったいなかったよ。ちなみに、あのドレスは裾のところにウサギやキノコの刺繍が入っているけど、映画ではぜんぜん見えなくて残念。

GB: 撮影はスムーズにいったと言えますか?

M: それがすごくスムーズに進んで、問題なく終わったんだ。もちろん疲れたけど。一番心配だった天気も、晴れの日が続いてね。イギリスでは奇跡と言えるよ! なにかゴシップを教えてあげたいところだけど、本当に何もなかったんだ。期待に添えなくてごめんね!

GB: 映画に関する意見はさまざまですが、マグルアエスさんはどう思われましたか?

M:正直に言うと、ちょっと期待はずれだったかな。悪くはないけど、もう少しいいものが出来上がるかと思ってた。

GB:どういう風に?

M: やっぱりストーリーラインがちょっと普通過ぎたかな。ビジュアル的にはすばらしいと思ったけど。と言っても、あのストーリーには、19歳のアリスが大人になる、という深い意味が隠されているんだ。映画に登場するドラゴン(ジャバウォーキー)は子供のアリスを象徴していて、それを倒すことができればアリスは大人へと生長できるんだ。

GB: なるほど。ご協力ありがとうございました。