2010年4月12日月曜日

アリス・イン・ワンダーランド インタビュー

ディズニーの新作映画『アリス・イン・ワンダーランド』。日本での封切りは4月17日ですが、イギリスでは3月5日から公開されています。物語の舞台ということもあって、イギリスではかなりの注目を浴びています。GBロンドン支社では、映画の撮影現場でドレッサーを勤めたマルコ・デ・マグルアエスさんとの取材をゲット! 銀幕の裏側を語っていただきました。

GB: 現場でのお仕事についてお聞かせください。

マグルアエスさん (以下M):ぼくはドレッサー、つまり、出演者たちに衣装を着せる仕事をしているんだ。アリス・イン・ワンダーランドでぼくが担当したのは、イギリスのコーンウォールで撮影された映画の冒頭部分。アリスがウサギの穴に落ちて、ワンダーランドに行く前のところね。ぼくは300人のエキストラに衣装を着せたんだ。

GB: 300人は大変ですね‥

M: うん、はっきり言って地獄だったよ(笑)。イギリスだと普通、エキストラはエージェントにプロを派遣してもらうけど、今回はオーディションで決めたんだ。現場の近所に住んでいる素人の人ばかりでね‥ 最初はみんなやる気だけど、疲れてくると文句ばかり! 

GB:アリス役のミア・ワシコウスカさんの衣装は?

M: ぼくは男だから、男性しか担当しないんだ。 ミアのドレッサーはハリウッドの現場も担当した女性だったよ。

GB:衣装デザイナーのコリーン・アットウッドさんも現場にいらしたんですか?

M:2週間続いた撮影のうち、最初の3日間はコリーンも参加したよ。

GB:コリーンさんと一緒にお仕事をされて、どういう印象を受けましたか?

M: コリーンはすごく真面目な人なんだ。メインキャストはもちろんのこと、エキストラひとりひとりの衣装も入念にチェックしていたよ。自分の描いたイメージが実現されるまで、絶対に妥協しない。と言っても、ぼくやほかのスタッフの意見もきちんと聞いてくれる人だった。監督(ティム・バートン)にもすごく信頼されているようだった。

GB:ティム・バートン監督はどういう方でしたか?

M: ティムにもとてもいい印象をもったよ。スタッフとコミュニケーションを取ることをすごく大切にする人で、ぼくも話しやすかった。現場でティムは常に走っていたよ。限られた時間の中、いい映像を撮るためにだれよりもたくさん動いていた気がするよ。

GB:撮影中、トラブルなどはありましたか?

M:トラブルというほどではないけど、ぼくが担当したエキストラたちは衣装の替えがなかったんだ。2週間、毎日同じ衣装を着るわけだから、当然臭いが気になってくるよね‥ でもウォッカと水を混ぜたものを服の脇のところにスプレーすれば、ぜんぜん臭わなくなるんだ。

GB:ドレッサーの知恵ですね! アリスの衣装は臭わなかったんですか?

M:アリスは衣装が5着あったから大丈夫。そのうち一着はダメにしてしまったけどね。映画の中ではアリスがウサギの穴から戻ってくると、ドレスがボロボロになっているんだ。だからドレスをわざと汚したり破ったり、もったいなかったよ。ちなみに、あのドレスは裾のところにウサギやキノコの刺繍が入っているけど、映画ではぜんぜん見えなくて残念。

GB: 撮影はスムーズにいったと言えますか?

M: それがすごくスムーズに進んで、問題なく終わったんだ。もちろん疲れたけど。一番心配だった天気も、晴れの日が続いてね。イギリスでは奇跡と言えるよ! なにかゴシップを教えてあげたいところだけど、本当に何もなかったんだ。期待に添えなくてごめんね!

GB: 映画に関する意見はさまざまですが、マグルアエスさんはどう思われましたか?

M:正直に言うと、ちょっと期待はずれだったかな。悪くはないけど、もう少しいいものが出来上がるかと思ってた。

GB:どういう風に?

M: やっぱりストーリーラインがちょっと普通過ぎたかな。ビジュアル的にはすばらしいと思ったけど。と言っても、あのストーリーには、19歳のアリスが大人になる、という深い意味が隠されているんだ。映画に登場するドラゴン(ジャバウォーキー)は子供のアリスを象徴していて、それを倒すことができればアリスは大人へと生長できるんだ。

GB: なるほど。ご協力ありがとうございました。

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