2009年11月16日月曜日

Deep Purple コンサート速報

11月16日(日)Hammersmith Apollo

 行ってまいりました! パープルコンサート、ロンドン・ハンマースミスアポロ。38ポンドという破格なプライスだったので立ち見を覚悟していましたが、イス席でしかもなんと前から11列目と、超ラッキーでした。この会場は収容人数3000人。コンサートによく使われるところで、以前TFFを見に来たことがありました。NHKホールみたいな感じ、という人もいます。パープルは4年前にウェンブリーアリーナという、後楽園みたいなところでコンサートやってたからそれから比べるとぐっとコンパクトです。







 前座はボンジョヴィ系のヘビメタバンド。小一時間の演奏ののち、9時になっていよいよ真打ち登場。オリジナルメンバーはイアン・ギラン、ロジャー・グローヴァー、イアン・ペイスの3人。ジョン・ロードとリッチーはやはりいません。でもいいんです、みんなイアン・ギランを見に来たんだから(多分) 。
 しかし! 登場したイアン・ギランを見て一瞬絶句。ごま塩頭が野球選手並みのスポーツ刈りになっているではありませんか!

 ステージ衣装はイラスト付き1枚780円(推定)の白いTシャツに、はだし。まあ、これはいいとしても、イアン・ぺも、ロジャーもがんばって長髪を維持してるってのに、スポーツ刈りは裏切り行為だと思うんだけど。
 そういえば、周囲を見渡してもハゲ&ごま塩おやじ率が異様に高かった。観客の平均年齢は50代前半という感じです。私の席は端っこから三番目で、男子トイレ入り口にすごく近かったので、トイレに出入りする観客が引きも切らず、落ち着かないことといったらありません。そのくせ会場ではワンパイントのビールが飛ぶように売れていて、トイレから帰るついでにバーでビールを買って席に戻っている感じ。「おしっこ行きたくなるからビールやめろよ」と思わず日本語でつぶやいてしまったくらいです。
 しかも、あろうことか、ステージ上のイアンもしょっちゅう中座。ステージの裏でビール飲んでるのが見えたし、少なくとも5回はトイレに行ったと確信しています。きっと前立腺が悪いんだろうな、という感じ。ステージの合間にトークが入るんだけど、ここでまたまた痛い事件発生。
「新しいLP出さなくちゃって思ってるんだけどね—多分来年」ときた。
 昨今はLPではなくCDというんですってば。 まあ、考えてみればイアンも60代。歳を感じたのは、今回のステージでは高音域のシャウトはまったく出なかったこと。声が出なくなると1オクターブ下げて歌っていました。 イアン・ペイスは顔は往年の雰囲気を残していたものの、立ったら何と、高木ブーそっくり。白人は肥満しても顔は太らない人が多いのでドラマーは体型が隠せます。そんな中ロジャーは体型も雰囲気もほとんど変わっておらず、長髪にバンダナ巻き、刺繍の入ったシャツが決まっていました、偉い!
 コンサートの最後を飾ったのはSmoke on the Water, そしてアンコールは、Hush, どっちも好きだけどブラック・ナイトとかやつてくれるといいのになー。祈りが通じて最後は「Black Night」で締めでした! ノリに乗ったSmoke~。みんなこれを聞きにきてるんだよね。感動感動の嵐でした。
かっきり90分で終わったステージ。イアンたちもお疲れですよね。もう若くないもんね。
 おじいちゃんになっちゃったけど、イアン・ギランはやはりすてきなお爺ちゃんなのでした。 写真はステージ裏で機材を運ぶ巨大なトラックが待機しているところ。「あんたがノればおいらが転がす」(You rock, we roll)というキャッチが車体に書かれていました。

2009年11月10日火曜日

Amelia's Magazine インターン不足の危機




アート系ウェブサイトAmelia's Magazineがインターン不足でパニックしているらしい。編集長が本を出すための準備に追われていて、インターンがいないとサイトが更新できないとか。そして現在のインターンが何人もいっせいにやめてしまうため、状況はかなり危険なもよう。「インターンが見つからないとこのサイトはもう終わりよ!」と編集長。

応募条件は即日から来年2月まで週4日勤務でき、文章が上手いこと。インターンといってもいきなりエディターに就任するため、担当するセクション(ファッション、アート、またはアース)に詳しくなければいけない。編集長の手料理が賄いとして出るが、給料は一銭も出ないので、アルバイトをするなどなんらかの形で稼いでいることも条件。「交通費がない」などの理由で出勤できないと困るかららしい。

日給500円で働く吉本興業の新人のほうがましかも‥ と思ってしまいそうだが、インターンの条件としてはまだましな方だ。イギリスの出版界ではインターンが無給なのは当たり前、普通は食事代や賄いは出ないし、交通費が支給されることもほとんどない。そして仕事の内容といえばお茶汲みに電話番。ファッション誌では撮影用の服などの手配やアイロンがけなどが基本。それはライター志望でも、スタイリスト志望でも変わらない。

Amelia's Magazineのように文章を書かせてもらえて、しかも賄いが付くというのは夢のような条件。自分が書いた記事がサイトに載ったり、エディターとしての責任を与えられることはインターンにとってもメリットがたくさんあるのだ。将来、就職にも役立つわけで、得られるものはタダ飯だけではなさそうだ。

Amelia's Magazineはもともと年に1回発行のアート雑誌で、編集長がまだ学生のときに創刊。それから10年間続いたものの、経済的な理由で今年廃刊となってしまった。今のサイトはほとんど趣味のようなもの、利益はゼロに近いとか。そう考えると無給のインターンしか雇えないのもわかる気がするが、サイトの運営をほとんどインターン任せにするのも勇気が入るのでは‥

2009年11月6日金曜日

飽食の時代


昨年に引き続き、オフィスのそばのサリー池ではハクチョウの家族が平和な生活を営んでいる。つがいのハクチョウとその子どもたち、という組み合わせだ。しかし今年は小さな異変があった。通常自然界ではハクチョウのつがいは卵を平均6〜7個産むがそのうちの2個しかかえさないのだという。数を制限して雛が餓死しないように本能的にコントロールしているのだろう。だが、今年はなんと、7羽すべてが孵化した。こんなことは初めてだ、と近所の人は言う。その理由は明白だ。ハクチョウ一家はこの一帯であまりにも有名になり、地域のペットみたいになった。みんなが入れ替わり立ち替わりえさをやっている。つまり食物に不自由しない、飼いハクチョウみたいになってしまったのだ。雛はみんな丸まると育ち、餓死どころか肥満に注意という感じである。それもどうかとは思う。
ただ最近、7羽目の子どもがいなくなった。誘拐か事故かわからない。近所の人がえさをやっていたらどうなったのか聞いてみようと思う。ベッカム一家のようにいつもウォッチングされているハクチョウ一家、7羽目の子どもの話もスクープされているに違いない。

2009年11月5日木曜日

PHAIDONストアがオープン

世界の不況が続く中、イギリスもかなりの不景気。80年代から数年前までは好調だったという出版業も、2007年にピークを迎えてからは本の売り上げがどんどん低下。2008年度は前年と比べ 5.5%低く、今年の売れ行きはさらに悪いという。

そんな中、出版社のPHAIDON
気になる動きを見せている。10月27日、同社はロンドン初のPHAIDON専門'ポップアップ'ブック・ストアをMaryleboneにオープン。ポップアップとは「臨時」という意味で、店は来年1月まで営業する予定。もちろん売っている本はすべて同社が出したもの。店内はコンパクトだが、アートやデザインなどクリエイティブ系の本が専門なだけあって、カラフルな表紙がずらりと並ぶ。さすが大手のPHAIDONという感じ。



とはいえ、PHAIDONにとっても不況は決して他人事ではない。それどころか、今年に入ってから売り上げが21.2%低下、スタッフの20%をリストラするなど厳しい現実に直面している。




ショップといえば
、今からちょうど1年ほど前の2008年11月、雑誌 Monocleもロンドンで店をオープンした。MonocleはWallpaperを創刊したTyler Brûléが2007年に始めたインテリ男性向け雑誌。政治にビジネス、デザインなどのトピックを挙げ、年に10回、世界各国でほぼ同時に発売されている。Monocleショップでは同雑誌はもちろんのこと、Monocleのロゴ入りグッズや雑誌で紹介された服などが揃う。ちなみにMonocleの商品以外はすべてデザイナーズ・ブランド。おしゃれなビジネスマンを読者とするMonocleらしい店だ。

とにかく今は出版業も雑誌業も苦しい時代。
専属のショップで自社の商品を販売するのも悪くない戦略かも。

2009年10月26日月曜日

ライターさん感謝会

とっても忙しい9月を終えたロンドンオフィス。大変だったなー。(汗)

少し落ち着いたところで、いつもお世話になっているロンドン在住のライターさんたちを呼んで感謝会を開きました! たくさんのごちそうを食べて頂こうと気合いを入れたロンドンスタッフですが、お料理の担当はライターさんに頼んじゃいました。というのも、お料理上手なライターさんがお二人もいらしたからです!



うしろの方は、なんとプロのシェフ! レシピ本を書いてらっしゃる方なのです!(手前はGBスタッフ、ただの素人です。)




まずは炒め物が1品、2品、3品‥ え、まだ出るの?! というくらいたくさんの料理を作ってくださいました。これで終わりかと思ったらお野菜たっぷりのラタトゥーユにサーモンのムニエル。でも実はこれすべて前菜。まだメインがあったんです! それは別のライターさんが作ってくださった絶品パエリア。本格的でとってもおいしかったです。みなさん大満足の夜でした! 

2009年7月13日月曜日

海外のオフ会「フラッシュモブ」現象







インターネットなどの掲示板に書き込み、参加を呼びかけるオフ会。その欧州版「フラッシュモブ」が最近頻繁に行われています。
フラッシュモブはもともと、東京の渋谷で携帯を操る若者を見た外国人が作った言葉だそうです。
欧州で人気のソーシャルネットワーキングサービス、Facebook、Twitterなどで集合場所と時間を告知し、集まったメンバーで何かを行う現象のことを指すフラッシュモブ。名称こそ違うものの、オフ会に似た現象です。
6月27日には、前日この世を去ったキング・オブ・ポップ(ポップの王様)、マイケル・ジャクソン追悼を目的としてフラッシュモブが行われました。
東ロンドンのリバプールストリート駅に集まったメンバーたちは、マイケル・ジャクソンの名曲「ビリー・ジーン」を歌いながらムーンウォークで辺りを踊りまくりました。多数の参加者で駅前はぎゅうぎゅう詰め、おまけにみんな写真を撮ろうとカメラや携帯を掲げ持つ中動くのは困難でしたが、大変な盛り上がりを見せました。
マイケル・ジャクソンのニュースより以前からフラッシュモブは人気を集めていました。例えば今年の4月には、イギリスの携帯T-mobileがロンドン市内でフラッシュモブを決行。トラファルガー広場に集まった数百人で野外カラオケをするという内容でした。その群衆の中には、ロック歌手Pinkの姿も。この様子はT-mobileのテレビCMに使われました。
日本でも2ちゃんねるやニコニコ動画などで大規模オフ会が企画されています。特にニコニコ動画は企業も交えてコミュニティの広がりを見せています。
とてもよく似たふたつの現象ですが、海外のフラッシュモブに比べて日本の方が種類が多い分、マイケル・ジャクソンやT-mobileの現象のように目立ったものとして取り上げられないのかもしれません。日本人はハマる対象が海外と比べて多すぎるのでしょう。さすがオタク気質、自分だけのこだわりを見つけるのは得意ということでしょうか。

写真1:マイケル・ジャクソン追悼フラッシュモブ(http://www.youtube.com/watch?v=s_PbbzZhCtg&feature=related)

写真2:T-mobileフラッシュモブ(http://www.youtube.com/watch?v=AGiqKYIgAp4&feature=channel)

2009年6月6日土曜日

おもしろサイト発見!あなたの名刺紹介しませんか?








不況で解雇者が続出している今日この頃、鬱ムードからなかなか抜け出せない人も多いのではないでしょうか。
そんな人たちのために、以前使っていた名刺を紹介するホームページができました。
www.cardsofchange.comは、会社を解雇された人、あるいは自ら退社した人たちが使っていた名刺を、ちょっとおもしろいメッセージと新しい連絡先を添えてアップするサイトです。
おもしろいメッセージを書くことで自分の気持ちを晴らして、なおかつ新しい連絡先を紹介することで新しいコネを作ろういう趣旨です。
そのいくつかをご紹介します。

写真1「飛んでく!」
写真2「フリーランス解放同盟に参加してます」
写真3「釣りに行ってます。デカイの釣れたら戻ります」
写真4「今まで以上の時間と刺激、そして活力。プライスレス」
写真5「目的地未定」

サイト創設者のトム・ヴァン・ディールさんは「会社をクビになった人は自分の能力を疑ってしまうものです。そんな人たちのために希望を与えたいと思ってサイトを創設しました」
サイトに名刺をアップした元経営幹部のリチャード・シャープさんは、「たくさんの人が落ち込んでいるご時世に、こんなポジティブなサイトができてすごく良いと思うよ」と語っています。
日本でもこういったサイトができたらいいですね。

2009年4月29日水曜日

ロンドンブックフェア



4月20日から22日にロンドンのEarl's Courtで開催されたロンドンブックフェア2009が終了しました。
不況が影響しているのか、今回は昨年より参加ブース、参加人数が少なかった気がしました。
GBロンドンオフィスとしては、出版社、取次代理店数か所に企画をプレゼン、GBの本に興味を持ちそうな出版社(主に日本の文化やマンガ関連本を出している会社)に営業をかけました。
GBのこれからのブックフェアでの活動につなげられたと思います。

さて、ロンドンブックフェアでおもしろい本を見つけました。
Hay House UK Ltd社の「Gentle Dying - The Simple Guide to Achieving a Peaceful Death(優しい死に方〜安らかな死を迎えるための簡単なガイド)」。
最近では病人を延命させるために、病院など家から離れた見知らぬ場所で、見知らぬ人に看取られるケースが一般化しています。
末期の病気を抱えた患者が、死を恐れず、残された時間を今までの人生を安らかに振り返ることができるように。
介護者が患者の治療を第一に考えるのではなく、患者の精神的サポートとなれるように。
死と介護の見方を変えるための、簡単で実用的なアドバイスを紹介した本です。
高齢化が進んでいる昨今、多くの人が必要とする一冊ではないでしょうか。

そのほかブックフェアのおもしろかったのは、「世界の市場フォーカス」となったインドです。
毎年フェアで組まれているこの「世界の市場フォーカス」特集、昨年のテーマは中東でしたが、今年はインドでした。
インドの出版・文学に関するセミナーが行われ、21日には何と、詩人で著名なインド人作家ヴィクラム・セート氏もフェアに参加。昨年に比べて多くのインドの出版社、印刷所がブースを出展していました。
コミックを出していたインドの出版社は、Campfire社。「トム・ソーヤの冒険」や「宝島」など男の子向けの文学をコミカライズしたものです。
絵は全員インド人だということですが、絵柄はアメリカンコミック調でした。
マンガは少しずつインドに浸透しているようですが、日本のマンガは普及するにはまだまだのようです。

2009年1月9日金曜日

イギリスで見つけた不思議なもの




ロンドンの西部近郊に撮影に出かけたとき、こんな交通標識を発見!
交通標識にはお国柄が出て、カナダなんかじゃグリズリー(大熊)に注意なんて熊の絵の標識があるって話。でもイギリスもかなりイケてます。例えばコレ。カエルの標識ってイギリス独自じゃない? 動物愛護の国だからてっきり「横断するカエルに注意してあげてね」ってことかと思ったら、そうじゃなくて「カエルが大量発生して道路が滑りやすくなることがあるので運転注意」だって。あくまでも人間様本位らしい。
まあ、この国は野生動物がべらぼうに多いので、高速道路なんかでもキツネ、アナグマ、キジ、ウサギなんかが事故死してるのをしょっちゅう見かけます。このあいだも、グリニッジ公園を散歩してたら、やたらお腹をすかせたリスが30センチ以内に近づいてきて、あのうるうるしたつぶらな瞳で見つめられてしまった。「ねーナッツ持ってない?」って感じでした。持ってない自分にわけもなく罪悪感抱いたりして。動物好きにはたまんない国です。

2009年1月6日火曜日

イギリスのイケメン事情




人の好みは十人十色! だから個人的な意見ですが、イギリスにも確かにイケメンがいます。この間見かけたのは、ホームセンターのペンキ売り場(そのホームセンターはダサクて安いものが結構あって好きなんですが)。ホール&オーツの、ダリル・ホールによく似たお兄ちゃん、といえば、往年のポップスファンはピンと来るのではないでしょうか? そのペンキ売り場は「呼び鈴を押して2分以内に係員が来なかった場合は10%引きのクーポンを差し上げます」ってことを売り物にしているところで、それでなくても時間には「ゆる〜い」国ですから、ペンキを買い続けていればいつかはクーポンをゲットできるという確信を持っていたのですが、来ました、その日が!
奇しくもそのダリル君が担当で、さっきまでいたのに、ペンキの色を決めてオーダーしようとしたら、もういない。呼び鈴を押して待つこと2分。来ません…。「クーポンゲット!」と喜んだのも束の間、待てど暮らせど来ない!
 5分くらい待って仕方がないから探しにいった。そうしたら悪びれもせず「もし必要なら行きますけどね」だって! おお、時間に緩いイギリス人の面目躍如です。ダリル・ホール似のイケメンじゃなかったら憮然としているところですが、まあ、かっこいいので許す。それにしてもあんなに若くてかっこいいのにホームセンター勤務じゃ、希望がないなーと同情してたら、そんなこともなくて、土日は学生バイトがほとんどだそうです。
 でも、クーポンはしっかりゲットしましたけどね。