2012年2月16日木曜日

宇多田ヒカルの目撃情報

久々にツィッターでささやきが話題になっている宇多田ヒカル嬢。でも本人がどこにいるのかは謎、とされていますが、ロンドンでこのところ目撃情報が続いています。ロンドン三越でお茶碗を買っているのを見た、とか、高級日本料理レストラン「出船」で食事していた、とか。かなり信憑性がある情報のようです。ただの旅行というよりは滞在っぽい感じです。ロンドンで勉強でも始めるのでしょうか? 興味深いですね!

2012年1月13日金曜日

イギリスの医療はサバイバル



 イギリスは「ゆりかごから墓場まで」といわれるように社会保障が充実したイメージがあります。
 医療保健もナショナル・ヘルス・サービス(NHS)という国営の事業になっていて、イギリス人はもとより、住民登録をしている外国人も無料で医療サービスが受けられる、という気前のよさです。
 しかし、実際住んでみて感じるのは「ただより高いものはない」という事実。
 特に最近、キャメロン政権で政府の経費削減のスローガンのもと、いくつもの病院が統合や規模縮小になり、ますます不便になってきました。
 イギリスではGPと呼ばれる主治医に登録し、からだに異変があるとまず自分のGPに相談に行きます。風邪や切り傷くらいならGPでこと足りますが、専門医の受診が必要になると、GPが病院を紹介してくれるシステムです。
 しかし、自分のGPに予約を取るのですら、今日明日、というわけにはいきません。平均1週間程度かかります。そこから専門医の予約を取って次の病院に行かれるのは半月先、運が悪ければひと月もかかることすらあります。
 急病の場合はA&Eという救急病院やウオーク・イン・センターと呼ばれる救急病院があるにはあるのですが、ここもひどい混雑です。
 以前、1月2日の祭日に帯状疱疹でA&Eを受診したことがありますが、午後3時に受付をして、診てもらえたのが夜中の1時でした。
 祭日で当番医が少なかったのか、救急車で運ばれた患者も、車いすに乗って心臓モニターをつけた患者も、頭から血をだらだら流した患者もすべて気の遠くなるような時間を待合室で苦しみながら待っていました。
「今夜は7時間待ちですので、ご了承下さい」とのアナウンスに、絶望的な気持ちになったことを覚えています。
 ロンドン在住の友人は「胃がんの疑いがある」といわれた時点で、NHSで次の予約を取る代わりに、一番早い飛行機で日本に帰って入院しました。
 まさにイギリスの医療はサバイバル、の感があります。
お金のある人は、高額の民間医療保険に入ってプライベートのクリニックでさっさと診療を受けています。
 NHSの医師たちも、公立病院での勤務時間を終えると、プライベートクリニックでせっせとアルバイトをしているのが現状なのです。
 貧富の格差と、実際には不公平な医療制度。確かに無料の医療制度は理想ではありますが、こういった現実を目の当たりにすると、2~3割程度の自己負担で専門医にすぐ診察してもらえる日本の医療制度はすばらしいといわざるを得ません。
「日本はダメになってしまった」などという声を聞きますが、そういう方にはぜひイギリスの病院を受診していただき、日本のすばらしさを実感してもらいたいものです。
(写真/高速道路も医療も美術館もタダ、と高福祉の国なんですが…)

2011年12月7日水曜日

長靴を履いたネコ



長靴を履いたネコが3Dアニメになってロンドンで人気を呼んでいる。
あの、2階建ての赤いバスの側面などにイラストが描かれていたりする。
ところで、「長靴を履いたネコ」は英語に訳すとどうなるのか、おわかりだろうか?
直訳してA cat wearing a pair of bootsなんてやってしまいそうである。
そんなに単語は使わない。3語のみである。
『Puss in boots』これだけだ。
プスは、プシーキャットのプシーと同じだ。日本語にすれば「ねこちゃん」という感じ。
でもこの発想はなかなか外国人には出てこない。ネイティブの感覚だと思う。
ちなみに、イギリス人に「なぜ最初にaとかtheをつけないのか?」と聞いたら、「聞かれると困るけど、つけない」のだそうだ。
長靴を履いたネコ、を自力で英語にしたとき「Puss in boots」と出てくるまでにまだ100年くらいはかかりそうだ。

2011年12月6日火曜日

ポール・マッカートニーのコンサート・レポート


12月5日 ロンドン O2アリーナにて

日本人にとってはもはや宗教の域に入るザ・ビートルズ。その主要メンバー、ポール・マッカートニーを生で見られるまたとないチャンスはイギリスならでは。さっそく行ってきました。観客は熟年層から若者まで、子供連れで来ている家族もいて微笑ましい。100ポンド以上するプラチナチケットだったけど、ロンドン公演は1回きりということもあるのか会場は超満員です。メンバーはポールのバックバンドに加え、今回スペシャルゲストとしてストーンズのロニー・ウッドが「ゲットバック」で飛び入り参加、花を添えていました。
「やっぱりロンドンはいいよね、家に帰って来たって感じで。観客のノリも最高だしさ」とリラックスした様子のポール。さきごろアメリカ人女性と3度目の結婚をしたばかりですが、その話題には触れず、「オレさ、孫がいるんだよ。孫だぜ! おじいちゃーんなんて言われちゃって。今日も見に来てるけどね」(会場大喝采)
ホームグランドだとポールも饒舌です。
「ヘイ・ジュード」「イエスタデー」「レット・イット・ビー」などのスタンダードナンバーを始め、「ジェット」「リブ・アンド・レット・ダイ」などウィングスのヒットナンバーもしっかり織り込んで、ヒット曲を網羅、サービス精神旺盛のコンサートはさすがのひと言。35曲以上途中休憩もなく、2時間を超えるコンサートを本当に楽しそうにこなしたポールに拍手喝采でした。
ジョンもジョージも死んじゃうし、よき伴侶だったリンダも早世、なんかいろいろあったよね、ポールの人生。「ロング・アンド・ワインディング・ロード」を聞いてるとなんだかポールのしわが刻まれた顔が悲しくて愛しくて美しくて、ぐっと胸に込み上げるものがありました。
ポール、1回でも多く、すばらしい音楽を聴かせ続けてください、と祈らずにはいられない夜でした。
演奏曲目は以下の通りです。

Concert Set List

1. Hello Goodbye
2. Junior's Farm
3. All My Loving
4. Jet
5. Drive My Car
6. Sing The Changes
7. The Night Before
8. Let Me Roll It/Foxy Lady
9. Paperback Writer
10. The Long And Winding Road
11. Come And Get It
12. Nineteen Hundred And Eight-Five
13. Maybe I'm Amazed
14. I've Just Seen A Face
15. I Will
16. Blackbird
17. Here Today
18. Dance Tonight
19. Mrs. Vanderbilt
20. Eleanor Rigby
21. Something
22. Band On The Run
23. Ob-La-Di, Ob-La-Da
24. Back In The USSR
25. I've Got A Feeling
26. A Day In The Life/Give Peace A Chance
27. Let It Be
28. Live And Let Die(花火があがってド派手な演出。消防法大丈夫だったんでしょうか)
29. Hey Jude

First Encore
30. The Word / All You Need Is Love
31. Day Tripper
32. Get Back (with Ronnie Wood)

Second Encore
33. Yesterday
34. Helter Skelter
35. Golden Slumbers/Carry That Weight/The End

2011年10月18日火曜日

ポール・マッカートニーとイギリス


英国と言えばビートルズ。2人亡くなってしまいましたが、やはり英国のシンボルであることにかわりはありません。イギリス人にとってもビートルズは大切な世界遺産。とくにポールは「マッカ」と呼ばれ、まるで絶滅危惧種の朱鷺のような扱いで国民に愛されています。
このたび3度目の正直とばかり、アメリカのキャリアウーマン・ナンシーさんと結婚、話題を振りまきました。お披露目の意味もあるのか、12月には全英ツアーを決行、ロンドン支社のメンバーがロンドン公演の切符を運良くゲットしました。
さて、そんな「マッカ」の若き頃の手紙がリバプールで発見されました。ロンドンでオークションにかけられ、9000ポンド(約120万円)で落札されたというから人気は衰えず、です。
ちなみにこの手紙を見ると、ポールの字はなかなかの達筆であることがわかります。知性が漂う美しいペン字です。内容は初期の頃で、ビートルズのドラマーを求めている、というもの。ポールがビートルズのリーダーの役割をしていたことがよくわかります。
今度こそ幸せになってもらいたいものです。

2011年3月31日木曜日

放射能がイギリスへ

3月11日の東日本大震災で福島の原子力発電所から漏れた放射能が、29日に英国に到達した、と新聞が報じた。
日本からの放射能が観測されたのはスコットランド・グラスゴーとオックスフォード州で9600キロの距離を漂ってきたことになる。
観測された放射能は、1986年ロシアのチェルノブイリ原発事故で漏れてやってきた放射能の1万分の1で、健康にはまったく影響のない量だという。
とはいうものの、こんなに離れた国までやってくるほどとは、本国の放射能の影響が懸念される。

2011年3月28日月曜日

ロンドン中心部での大規模デモ行進

     高級百貨店フォートナム&メイソンの屋根には暴徒がたむろし、やりたい放題。
       トラファルガー広場からの風景。デモのため、旗を掲げるひとが多く見られる。
     武装した警察官によるケトリングの真っただ中。ゴミ箱もひっくり返されている。
            メインストリートの真ん中で燃やされるデモの残骸

2011年3月26日土曜日、ロンドン市の中心部で英国労働組合会議(TUC)が主催する大規模なデモ行進が行われた。

デモはイギリス政府の歳出削減に反対する労働者たち(教師や学生、国営医療制度「NHS」のスタッフ、自治体の公務員など)によって行われ、およそ25万人から50万人の参加者が記録された。この参加者数は2003年のイラク戦争に反対するデモ以来の規模。労働者による集会は午前10時ごろからはじまり、深夜にかけて暴徒化した人々と警官隊が衝突。英BBCテレビによると、214人が逮捕され、警官13人を含む66人が負傷した。

正午にはじまったデモ行進。ドラムやクラリネットの生演奏にのせて行われ、活気溢れるものとなった。さらに午後2時から、オックスフォード・ストリート近くの公園、ハイド・パークにて労働党党首、エド・ミリバンドによるTUCの活動を支持する演説が行われ、パレードは平和のうちに終わったかのように思われた。

しかしその後、一部の無政府主義者が暴徒と化す事態に発展。銀行や高級百貨店のフォートナム&メイソン、大手衣料品チェーン、トップ・ショップなどが標的となり、ガラス窓が割られ、カラーボールが投げつけられるなど、一時街はカオス状態に。いつもは観光客やショッピングを楽しむ人々でにぎわうピカデリー・サーカス、オックスフォード・サーカスの大通りは、一般車の交通が全て禁止され、警官とパトカーで埋めつくされた。

夜7時ごろ、警察のケトリング作戦(大量の警官が自ら壁を作り、暴徒の大群衆をひとつの場所に追いやり、狭い出口をひとつだけ残してそこからしか出られなくする策略)により、暴徒はトラファルガー広場に集められた。行き場をなくした人々は、その後も広場に残り、ゴミでたき火をはじめたり、大音量で音楽を流すなどお祭り騒ぎを続けた。最終的に街が静けさを取り戻したのは深夜の3時。大量のデモの残骸を残していったが、暴徒たちも帰途についた。