11月16日(日)Hammersmith Apollo
行ってまいりました! パープルコンサート、ロンドン・ハンマースミスアポロ。38ポンドという破格なプライスだったので立ち見を覚悟していましたが、イス席でしかもなんと前から11列目と、超ラッキーでした。この会場は収容人数3000人。コンサートによく使われるところで、以前TFFを見に来たことがありました。NHKホールみたいな感じ、という人もいます。パープルは4年前にウェンブリーアリーナという、後楽園みたいなところでコンサートやってたからそれから比べるとぐっとコンパクトです。
前座はボンジョヴィ系のヘビメタバンド。小一時間の演奏ののち、9時になっていよいよ真打ち登場。オリジナルメンバーはイアン・ギラン、ロジャー・グローヴァー、イアン・ペイスの3人。ジョン・ロードとリッチーはやはりいません。でもいいんです、みんなイアン・ギランを見に来たんだから(多分) 。
しかし! 登場したイアン・ギランを見て一瞬絶句。ごま塩頭が野球選手並みのスポーツ刈りになっているではありませんか!
ステージ衣装はイラスト付き1枚780円(推定)の白いTシャツに、はだし。まあ、これはいいとしても、イアン・ぺも、ロジャーもがんばって長髪を維持してるってのに、スポーツ刈りは裏切り行為だと思うんだけど。
そういえば、周囲を見渡してもハゲ&ごま塩おやじ率が異様に高かった。観客の平均年齢は50代前半という感じです。私の席は端っこから三番目で、男子トイレ入り口にすごく近かったので、トイレに出入りする観客が引きも切らず、落ち着かないことといったらありません。そのくせ会場ではワンパイントのビールが飛ぶように売れていて、トイレから帰るついでにバーでビールを買って席に戻っている感じ。「おしっこ行きたくなるからビールやめろよ」と思わず日本語でつぶやいてしまったくらいです。
しかも、あろうことか、ステージ上のイアンもしょっちゅう中座。ステージの裏でビール飲んでるのが見えたし、少なくとも5回はトイレに行ったと確信しています。きっと前立腺が悪いんだろうな、という感じ。ステージの合間にトークが入るんだけど、ここでまたまた痛い事件発生。
「新しいLP出さなくちゃって思ってるんだけどね—多分来年」ときた。
昨今はLPではなくCDというんですってば。 まあ、考えてみればイアンも60代。歳を感じたのは、今回のステージでは高音域のシャウトはまったく出なかったこと。声が出なくなると1オクターブ下げて歌っていました。 イアン・ペイスは顔は往年の雰囲気を残していたものの、立ったら何と、高木ブーそっくり。白人は肥満しても顔は太らない人が多いのでドラマーは体型が隠せます。そんな中ロジャーは体型も雰囲気もほとんど変わっておらず、長髪にバンダナ巻き、刺繍の入ったシャツが決まっていました、偉い!
コンサートの最後を飾ったのはSmoke on the Water, そしてアンコールは、Hush, どっちも好きだけどブラック・ナイトとかやつてくれるといいのになー。祈りが通じて最後は「Black Night」で締めでした! ノリに乗ったSmoke~。みんなこれを聞きにきてるんだよね。感動感動の嵐でした。
かっきり90分で終わったステージ。イアンたちもお疲れですよね。もう若くないもんね。
おじいちゃんになっちゃったけど、イアン・ギランはやはりすてきなお爺ちゃんなのでした。 写真はステージ裏で機材を運ぶ巨大なトラックが待機しているところ。「あんたがノればおいらが転がす」(You rock, we roll)というキャッチが車体に書かれていました。
2009年11月16日月曜日
2009年11月10日火曜日
Amelia's Magazine インターン不足の危機
アート系ウェブサイトAmelia's Magazineがインターン不足でパニックしているらしい。編集長が本を出すための準備に追われていて、インターンがいないとサイトが更新できないとか。そして現在のインターンが何人もいっせいにやめてしまうため、状況はかなり危険なもよう。「インターンが見つからないとこのサイトはもう終わりよ!」と編集長。
応募条件は即日から来年2月まで週4日勤務でき、文章が上手いこと。インターンといってもいきなりエディターに就任するため、担当するセクション(ファッション、アート、またはアース)に詳しくなければいけない。編集長の手料理が賄いとして出るが、給料は一銭も出ないので、アルバイトをするなどなんらかの形で稼いでいることも条件。「交通費がない」などの理由で出勤できないと困るかららしい。
日給500円で働く吉本興業の新人のほうがましかも‥ と思ってしまいそうだが、インターンの条件としてはまだましな方だ。イギリスの出版界ではインターンが無給なのは当たり前、普通は食事代や賄いは出ないし、交通費が支給されることもほとんどない。そして仕事の内容といえばお茶汲みに電話番。ファッション誌では撮影用の服などの手配やアイロンがけなどが基本。それはライター志望でも、スタイリスト志望でも変わらない。
Amelia's Magazineのように文章を書かせてもらえて、しかも賄いが付くというのは夢のような条件。自分が書いた記事がサイトに載ったり、エディターとしての責任を与えられることはインターンにとってもメリットがたくさんあるのだ。将来、就職にも役立つわけで、得られるものはタダ飯だけではなさそうだ。
Amelia's Magazineはもともと年に1回発行のアート雑誌で、編集長がまだ学生のときに創刊。それから10年間続いたものの、経済的な理由で今年廃刊となってしまった。今のサイトはほとんど趣味のようなもの、利益はゼロに近いとか。そう考えると無給のインターンしか雇えないのもわかる気がするが、サイトの運営をほとんどインターン任せにするのも勇気が入るのでは‥
2009年11月6日金曜日
飽食の時代
昨年に引き続き、オフィスのそばのサリー池ではハクチョウの家族が平和な生活を営んでいる。つがいのハクチョウとその子どもたち、という組み合わせだ。しかし今年は小さな異変があった。通常自然界ではハクチョウのつがいは卵を平均6〜7個産むがそのうちの2個しかかえさないのだという。数を制限して雛が餓死しないように本能的にコントロールしているのだろう。だが、今年はなんと、7羽すべてが孵化した。こんなことは初めてだ、と近所の人は言う。その理由は明白だ。ハクチョウ一家はこの一帯であまりにも有名になり、地域のペットみたいになった。みんなが入れ替わり立ち替わりえさをやっている。つまり食物に不自由しない、飼いハクチョウみたいになってしまったのだ。雛はみんな丸まると育ち、餓死どころか肥満に注意という感じである。それもどうかとは思う。
ただ最近、7羽目の子どもがいなくなった。誘拐か事故かわからない。近所の人がえさをやっていたらどうなったのか聞いてみようと思う。ベッカム一家のようにいつもウォッチングされているハクチョウ一家、7羽目の子どもの話もスクープされているに違いない。
2009年11月5日木曜日
PHAIDONストアがオープン
世界の不況が続く中、イギリスもかなりの不景気。80年代から数年前までは好調だったという出版業も、2007年にピークを迎えてからは本の売り上げがどんどん低下。2008年度は前年と比べ 5.5%低く、今年の売れ行きはさらに悪いという。
そんな中、出版社のPHAIDONが気になる動きを見せている。10月27日、同社はロンドン初のPHAIDON専門'ポップアップ'ブック・ストアをMaryleboneにオープン。ポップアップとは「臨時」という意味で、店は来年1月まで営業する予定。もちろん売っている本はすべて同社が出したもの。店内はコンパクトだが、アートやデザインなどクリエイティブ系の本が専門なだけあって、カラフルな表紙がずらりと並ぶ。さすが大手のPHAIDONという感じ。
とはいえ、PHAIDONにとっても不況は決して他人事ではない。それどころか、今年に入ってから売り上げが21.2%低下、スタッフの20%をリストラするなど厳しい現実に直面している。
ショップといえば、今からちょうど1年ほど前の2008年11月、雑誌 Monocleもロンドンで店をオープンした。MonocleはWallpaperを創刊したTyler Brûléが2007年に始めたインテリ男性向け雑誌。政治にビジネス、デザインなどのトピックを挙げ、年に10回、世界各国でほぼ同時に発売されている。Monocleショップでは同雑誌はもちろんのこと、Monocleのロゴ入りグッズや雑誌で紹介された服などが揃う。ちなみにMonocleの商品以外はすべてデザイナーズ・ブランド。おしゃれなビジネスマンを読者とするMonocleらしい店だ。
とにかく今は出版業も雑誌業も苦しい時代。専属のショップで自社の商品を販売するのも悪くない戦略かも。
そんな中、出版社のPHAIDONが気になる動きを見せている。10月27日、同社はロンドン初のPHAIDON専門'ポップアップ'ブック・ストアをMaryleboneにオープン。ポップアップとは「臨時」という意味で、店は来年1月まで営業する予定。もちろん売っている本はすべて同社が出したもの。店内はコンパクトだが、アートやデザインなどクリエイティブ系の本が専門なだけあって、カラフルな表紙がずらりと並ぶ。さすが大手のPHAIDONという感じ。
とはいえ、PHAIDONにとっても不況は決して他人事ではない。それどころか、今年に入ってから売り上げが21.2%低下、スタッフの20%をリストラするなど厳しい現実に直面している。
ショップといえば、今からちょうど1年ほど前の2008年11月、雑誌 Monocleもロンドンで店をオープンした。MonocleはWallpaperを創刊したTyler Brûléが2007年に始めたインテリ男性向け雑誌。政治にビジネス、デザインなどのトピックを挙げ、年に10回、世界各国でほぼ同時に発売されている。Monocleショップでは同雑誌はもちろんのこと、Monocleのロゴ入りグッズや雑誌で紹介された服などが揃う。ちなみにMonocleの商品以外はすべてデザイナーズ・ブランド。おしゃれなビジネスマンを読者とするMonocleらしい店だ。
とにかく今は出版業も雑誌業も苦しい時代。専属のショップで自社の商品を販売するのも悪くない戦略かも。
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