2011年12月7日水曜日

長靴を履いたネコ



長靴を履いたネコが3Dアニメになってロンドンで人気を呼んでいる。
あの、2階建ての赤いバスの側面などにイラストが描かれていたりする。
ところで、「長靴を履いたネコ」は英語に訳すとどうなるのか、おわかりだろうか?
直訳してA cat wearing a pair of bootsなんてやってしまいそうである。
そんなに単語は使わない。3語のみである。
『Puss in boots』これだけだ。
プスは、プシーキャットのプシーと同じだ。日本語にすれば「ねこちゃん」という感じ。
でもこの発想はなかなか外国人には出てこない。ネイティブの感覚だと思う。
ちなみに、イギリス人に「なぜ最初にaとかtheをつけないのか?」と聞いたら、「聞かれると困るけど、つけない」のだそうだ。
長靴を履いたネコ、を自力で英語にしたとき「Puss in boots」と出てくるまでにまだ100年くらいはかかりそうだ。

2011年12月6日火曜日

ポール・マッカートニーのコンサート・レポート


12月5日 ロンドン O2アリーナにて

日本人にとってはもはや宗教の域に入るザ・ビートルズ。その主要メンバー、ポール・マッカートニーを生で見られるまたとないチャンスはイギリスならでは。さっそく行ってきました。観客は熟年層から若者まで、子供連れで来ている家族もいて微笑ましい。100ポンド以上するプラチナチケットだったけど、ロンドン公演は1回きりということもあるのか会場は超満員です。メンバーはポールのバックバンドに加え、今回スペシャルゲストとしてストーンズのロニー・ウッドが「ゲットバック」で飛び入り参加、花を添えていました。
「やっぱりロンドンはいいよね、家に帰って来たって感じで。観客のノリも最高だしさ」とリラックスした様子のポール。さきごろアメリカ人女性と3度目の結婚をしたばかりですが、その話題には触れず、「オレさ、孫がいるんだよ。孫だぜ! おじいちゃーんなんて言われちゃって。今日も見に来てるけどね」(会場大喝采)
ホームグランドだとポールも饒舌です。
「ヘイ・ジュード」「イエスタデー」「レット・イット・ビー」などのスタンダードナンバーを始め、「ジェット」「リブ・アンド・レット・ダイ」などウィングスのヒットナンバーもしっかり織り込んで、ヒット曲を網羅、サービス精神旺盛のコンサートはさすがのひと言。35曲以上途中休憩もなく、2時間を超えるコンサートを本当に楽しそうにこなしたポールに拍手喝采でした。
ジョンもジョージも死んじゃうし、よき伴侶だったリンダも早世、なんかいろいろあったよね、ポールの人生。「ロング・アンド・ワインディング・ロード」を聞いてるとなんだかポールのしわが刻まれた顔が悲しくて愛しくて美しくて、ぐっと胸に込み上げるものがありました。
ポール、1回でも多く、すばらしい音楽を聴かせ続けてください、と祈らずにはいられない夜でした。
演奏曲目は以下の通りです。

Concert Set List

1. Hello Goodbye
2. Junior's Farm
3. All My Loving
4. Jet
5. Drive My Car
6. Sing The Changes
7. The Night Before
8. Let Me Roll It/Foxy Lady
9. Paperback Writer
10. The Long And Winding Road
11. Come And Get It
12. Nineteen Hundred And Eight-Five
13. Maybe I'm Amazed
14. I've Just Seen A Face
15. I Will
16. Blackbird
17. Here Today
18. Dance Tonight
19. Mrs. Vanderbilt
20. Eleanor Rigby
21. Something
22. Band On The Run
23. Ob-La-Di, Ob-La-Da
24. Back In The USSR
25. I've Got A Feeling
26. A Day In The Life/Give Peace A Chance
27. Let It Be
28. Live And Let Die(花火があがってド派手な演出。消防法大丈夫だったんでしょうか)
29. Hey Jude

First Encore
30. The Word / All You Need Is Love
31. Day Tripper
32. Get Back (with Ronnie Wood)

Second Encore
33. Yesterday
34. Helter Skelter
35. Golden Slumbers/Carry That Weight/The End

2011年10月18日火曜日

ポール・マッカートニーとイギリス


英国と言えばビートルズ。2人亡くなってしまいましたが、やはり英国のシンボルであることにかわりはありません。イギリス人にとってもビートルズは大切な世界遺産。とくにポールは「マッカ」と呼ばれ、まるで絶滅危惧種の朱鷺のような扱いで国民に愛されています。
このたび3度目の正直とばかり、アメリカのキャリアウーマン・ナンシーさんと結婚、話題を振りまきました。お披露目の意味もあるのか、12月には全英ツアーを決行、ロンドン支社のメンバーがロンドン公演の切符を運良くゲットしました。
さて、そんな「マッカ」の若き頃の手紙がリバプールで発見されました。ロンドンでオークションにかけられ、9000ポンド(約120万円)で落札されたというから人気は衰えず、です。
ちなみにこの手紙を見ると、ポールの字はなかなかの達筆であることがわかります。知性が漂う美しいペン字です。内容は初期の頃で、ビートルズのドラマーを求めている、というもの。ポールがビートルズのリーダーの役割をしていたことがよくわかります。
今度こそ幸せになってもらいたいものです。

2011年3月31日木曜日

放射能がイギリスへ

3月11日の東日本大震災で福島の原子力発電所から漏れた放射能が、29日に英国に到達した、と新聞が報じた。
日本からの放射能が観測されたのはスコットランド・グラスゴーとオックスフォード州で9600キロの距離を漂ってきたことになる。
観測された放射能は、1986年ロシアのチェルノブイリ原発事故で漏れてやってきた放射能の1万分の1で、健康にはまったく影響のない量だという。
とはいうものの、こんなに離れた国までやってくるほどとは、本国の放射能の影響が懸念される。

2011年3月28日月曜日

ロンドン中心部での大規模デモ行進

     高級百貨店フォートナム&メイソンの屋根には暴徒がたむろし、やりたい放題。
       トラファルガー広場からの風景。デモのため、旗を掲げるひとが多く見られる。
     武装した警察官によるケトリングの真っただ中。ゴミ箱もひっくり返されている。
            メインストリートの真ん中で燃やされるデモの残骸

2011年3月26日土曜日、ロンドン市の中心部で英国労働組合会議(TUC)が主催する大規模なデモ行進が行われた。

デモはイギリス政府の歳出削減に反対する労働者たち(教師や学生、国営医療制度「NHS」のスタッフ、自治体の公務員など)によって行われ、およそ25万人から50万人の参加者が記録された。この参加者数は2003年のイラク戦争に反対するデモ以来の規模。労働者による集会は午前10時ごろからはじまり、深夜にかけて暴徒化した人々と警官隊が衝突。英BBCテレビによると、214人が逮捕され、警官13人を含む66人が負傷した。

正午にはじまったデモ行進。ドラムやクラリネットの生演奏にのせて行われ、活気溢れるものとなった。さらに午後2時から、オックスフォード・ストリート近くの公園、ハイド・パークにて労働党党首、エド・ミリバンドによるTUCの活動を支持する演説が行われ、パレードは平和のうちに終わったかのように思われた。

しかしその後、一部の無政府主義者が暴徒と化す事態に発展。銀行や高級百貨店のフォートナム&メイソン、大手衣料品チェーン、トップ・ショップなどが標的となり、ガラス窓が割られ、カラーボールが投げつけられるなど、一時街はカオス状態に。いつもは観光客やショッピングを楽しむ人々でにぎわうピカデリー・サーカス、オックスフォード・サーカスの大通りは、一般車の交通が全て禁止され、警官とパトカーで埋めつくされた。

夜7時ごろ、警察のケトリング作戦(大量の警官が自ら壁を作り、暴徒の大群衆をひとつの場所に追いやり、狭い出口をひとつだけ残してそこからしか出られなくする策略)により、暴徒はトラファルガー広場に集められた。行き場をなくした人々は、その後も広場に残り、ゴミでたき火をはじめたり、大音量で音楽を流すなどお祭り騒ぎを続けた。最終的に街が静けさを取り戻したのは深夜の3時。大量のデモの残骸を残していったが、暴徒たちも帰途についた。

2011年3月18日金曜日

Metro  被ばく「大したことはない」-原爆経験者は語る

 2011年3月18日のフリ―ぺ―パーメトロは、第二次世界大戦中、長崎で原爆の被害にあった山下和子さんへの今回の震災に関するインタビューを掲載している。

 原爆が長崎に投下されたとき5歳だった山下さんは、現在71歳。原爆の本当の恐ろしさを知る山下さんにとって、東北大震災による原子炉の爆発で、人々がパニックを起こしているのを「大げさ」に感じているようだ。

傷ついた故郷への思い -学生たちにできること-


 写真は、ロンドン在住の日本人学生たちによる東日本大震災支援活動の風景を写したもの。ロンドンの中心地、地元民や観光客であふれかれるトラファルガー・スクエアの広場では、震災以来毎日学生による寄付金の呼びかけが行われている。
 英赤十字社を通しての募金を求めると同時に、下の写真は、被災者に贈る励ましのメッセージを、街ゆく人々に記入してもらっている。
 ロンドンだけでなく、イギリス国内のあらゆるところで、日本を助けようとする学生たちの運動が始まっている。イギリス西部に位置するブリストル大学の学生は、友人たちを誘い、手製のケーキやスナックを大学内のホールを借りて販売し、その売り上げを全額被災地へ送る活動を今週末に行う予定だ。