2010年12月23日木曜日

今年最後のジャンル別ベストセラー 2010

ニューヨーク・タイムズ、今年最後のベストセラーです。

単行本 フィクション部門

トム・クランシー 著「デッド・オア・アライブ」

Dead or Alive by Tom Clancy

単行本 ノンフィクション部門

ジョージ・W・ブッシュ著 「決断の時」

Decision points by George W. Bush

文庫本 トレード フィクション部門

スティーグ・ラーソン著 「ドラゴンの刺青を持つ少女(仮)」

The Girl with the Dragon Tattoo by Stieg Larsson

文庫本 マス・マーケット フィクション部門

ダン・ブラウン著 「ロスト・シンボル」

The Lost Symbol by Dan Brown

文庫本 ノンフィクション部門

アレクサンドラ・ホロウィッツ著 「インサイド・オブ・ア・ドッグ」

Inside of a Dog by Alexandra Horowitz

絵本部門

バラク・オバマ著、ローレン・ロング絵 「オブ・ジ―・アイ・シング:私の娘たちへの手紙」

Of Thee I Sing by Barack Obama. Illustrated by Loren Long

マンガ部門

樋野まつり著 「ヴァンパイア騎士」

Vampire Knight by Matsuri Hino

池田晃久 著「ロザリオとヴァンパイア:シーズン2」

Rosario+Vampire: Season , Vol3 byAkisha Ikeda

久保帯「ブリーチ Vol.33

The Bleach Vol.33 by Tite Kubo

2010年7月10日土曜日

パリのジャパン・エキスポ















今月1日から4日、フランスのパリでジャパン・エキスポが開かれました。このエキスポは、日本マンガやアニメ、ゲーム、音楽などのポップカルチャーをはじめ、伝統的な空手、弓道や茶道まで、ありとあらゆる日本の文化を楽しもうというイベントです。去年は16万人以上が訪れたジャパン・エキスポ、イギリスのMCMエキスポと比べて半端ない規模、盛り上がりで今年も賑わってました!


目立っていたのは、ナルトやブリーチ、ワンピースのコスプレイヤー。ジャンプ系は世界各国どこでも人気です。あと意外だったのが、ヴァンパイア騎士と黒執事。19世紀のイギリスを舞台にした黒執事は、あくまで『日本人が思い描くヨーロッパ像』を体現したマンガで歴史に忠実というわけではないので、フランスで受け入れられているのはちょっと不思議? その後、コンテンツメディアプロデューサーの桜井孝昌氏が司会を務めたトークショーで、「(黒執事のような)世界観はむしろオリジナリティがあっておもしろい」という意見がファンから出ていて納得。あらゆる要素を詰め込んだ日本のポップカルチャーのごちゃまぜ感がプラスに働いているようです。ゴシックファッションも魅力のひとつ。フランスのジャパンファッション好きは、オトナとコドモを合わせたコドナスタイル(フランスの造語らしい)がお気に入りです。











びっくりしたのは、フランス人のオタク上級者っぷり。ライブでは歌に合わせてペンライトや手を振って動かす、いわゆる「オタ芸」を披露していたし。モーニング娘。のトークショーでは「あいちゃーん」とかけ声をかけていたし。海外のオタクってどうやってこういうこと覚えてくるんでしょう? 日本独特の『アイドル』という文化がフランスでこうしてちゃんと理解されてるのが不思議です。伝道師みたいな人がいるんでしょうか。「オタクとはこうあるべき」を説いた『オタクの道』みたいなテーマの本があったら売れるかも(笑)。









意外に人を集めていたのが、紙芝居を披露していた漫画家学会の方々。「カミシバイ?なにそれ?」という感じでよくわかっていなかった人たちも、紙芝居師がしゃべり始めた途端に態度が一変。よく通る七色の声にみんな圧倒、聞く人を引きつける読み聞かせに立ち止まる人たちが続出しました。みんな興味津々で写真を撮ってました。マンガの原点ともいえる紙芝居のおもしろさがフランスのファンにも伝わるんですね。ちょっと感動。

海外のイベントで恒例のFree Hugsはジャパン・エキスポでも健在でした。意味は「ハグ0円」。Free Hugsは海外のオタクたち同士のあいさつという感じで、見知らぬ他人にも気軽にハグします。もっとイっちゃってる人たちは、Free KissだのFree Sexと書かれたプラカードを持ってました。オタク同士で盛り上がろう!という気持ちの現れなんでしょうが。まさか本当にやらないよね?

今回エキスポを見て、イギリスよりもフランスの方が日本文化に興味と理解があるなと感じました。でもフランス人のファンも日本人と同様、新しいコンテンツをいち早く手に入れたがっていることには変わりありません。常におもしろいコンテンツを発信すること、それをちゃんとしたビジネスとして成り立たせていくのが今後の日本の課題ではないでしょうか。

2010年6月8日火曜日

女王陛下の誕生日パレード




毎年6月になると、ロンドンではエリザベス女王の誕生日を祝うパレード「Trooping The Colour」が行われます。これは“公式の”女王陛下の誕生日を祝し、近衛兵が戦勝旗を持って行進するという大変愛国的なイベントです。捧げ持った赤い旗には、ワーテルローとかダンケルクといったイギリスが歴史的大勝を記録した戦いの名称が金糸で縫いとられています。正直、イギリスではこういう愛国的な催しはめっぽう多いのですが、もし日本でこんなことをやったら大変なことになるなあーと思ってしまいます(天皇の前で「硫黄島」とか「パールハーバー」とか「レイテ島」とか書いた旗を捧げ持って…なんて想像するだに恐ろしい)。



さて、本番は6月12日なのですが、5月29日と6月5日に予行演習をし、そのときにも観客を入れて入場料をとり、国家はちゃっかりビジネスをしています。今回は6月5日に見に行きましたがその時にはエリザベス女王は来なかったものの、夫であるエディンバラ公爵(日本ではフィリップ殿下の呼び名が有名)が来ていました。写真の、馬車に乗った人がご本人。もう80代のご老体、なんだかちょっとお気の毒でした。
さて、ロンドン子によればこのトゥルーピング・ザ・カラーの隠れた見どころがあるとか。それは、炎天下での2時間近いパレードで、近衛兵の中で必ず貧血で倒れる者が出る、という伝統。そう、近衛兵といえども当世の若者であることにかわりなく「前の晩飲みすぎて翌日気持ちが悪くなる不届き者が必ず出るよ」
はたして当日、この予言通り、式典半ばで一人の近衛兵が貧血を起こし、両脇を同僚に抱えられて退場する姿が目撃されたのでした。
ちなみに近衛兵のこの大きな黒い帽子はもともとはクマの毛皮だとか。暑いときには本当に大変。お役目ごくろうさま、といいたくなりました。また、馬に乗った衛兵のパレードでは、機嫌の悪い馬が首をぶんぶん回したり、糞をぼたぼた落とす姿を目撃! まあ、生き物ですから、王族の前であろうと観客の前であろうと、自然体です。でも騎手はちょっとばつが悪いかもしれませんね。

2010年6月5日土曜日

チェルシー・フラワーショウ










5月26日に、恒例のチェルシー・フラワーショウの取材に行ってまいりました。長いおつきあいのある版元さんから急きょの依頼でカメラマンと現場に急行。なんとかインタビューと撮影をすることができました。

園芸の国イギリスは、フラワーショウといって、花や庭園デザインを展示する催しが大人気。中でもチェルシーは1913年に始まって以来、約1世紀におよぶ伝統を誇る、権威あるエキシビションです。

毎年前売り券もすぐに売り切れ、ゲートには当日券ならぬキャンセル券(連れが来られなかった人が売りに来る)を待つ長い列ができるほど。
今回はプレスパスで入場、日本から出展の庭園デザイナー・石原和幸さんを取材しました。

石原さんはチェルシーの常連で、何度も金メダルを取っていらっしゃる、日本屈指の庭園デザイナー。
今回は残念ながら銀メダルではあったものの、初日にはエリザベス女王が庭園を訪れ、ダイナミックに滝が流れる苔むした日本庭園に驚嘆、「あなたはまるで魔法使いみたいね!」とおっしゃったそうです。

ちなみに今回一等金メダルを受賞したのは、中央にオブジェをあしらった「地中海風庭園」でした。イギリスでは、細かく小さな花があちこちに群生している庭園が人気があります。






2010年6月3日木曜日

「首相は優柔不断なエイリアン、小沢は『影の将軍』」



また…ですか。そう思っているのは、日本人だけではありません。もはや「毎年の恒例」と化している日本の首相辞任ですが、今回のニュースはこんな見出しで登場しました。

「日本の『エイリアン』首相、米軍基地の約束破り、辞任する」

6月2日のイブニングスタンダード紙によるこの記事。「米軍基地移設の失敗を受け、優柔不断な首相のイメージがさらに悪化…過去4年の間に辞任した首相は、彼が4人目」また「国民からは、エキセントリックで親しみにくい『エイリアン』と呼ばれている」さらに「小沢一郎幹事長は『影の将軍』だった」などと報じられました。ちなみに、BBCも「影の将軍道連れ」などと報道し、日本でも話題を呼んでいるようですが…。

今朝のメトロ紙では元首相の「趣味の悪い」シャツが「340ポンド」もするとか、しないとか…ほかにも、タイムズ紙は「スキャンダルと不評が続き、優柔不断な日本の首相が辞任」テレグラフ紙は「たった8ヶ月で辞任」、「首相は優柔不断だった」など。当然のことながら、かなり批判的です。金曜には新しい首相が決まるとのことですが、がんばれ、ニッポン…円安は困ります。

テスト

テスト

2010年5月13日木曜日

デビッドとニックの「新43歳コンビ」誕生!



5月6日の総選挙で、過半数をとった党がなかったため、保守党と自民党とが手を組んで、英国では65年ぶりの連立政権が誕生した。保守党党首のデビッド・キャメロンが首相、連立に組した自民党党首ニック・クレッグが副首相、ともに43歳という、近代民主主義に移行してからは最年少のトップである。
さてこのふたり、大人というか、マスコミを前になかなか息の合うところを見せている。記者会見で記者が「キャメロンさんは以前クレッグ党首のことを評して『悪い冗談だ』と言ってましたよね」という突っ込みに、いじけて会見場を立ち去るしぐさを見せるクレッグ氏にすがりつくようなボケをかましたりして、滑り出しでは「若さの協調」と「変化」をアピールすることに成功している。
選挙前には三つどもえの接戦が強調され、上記の2名に加えて現職の労働党首ゴードン・ブラウンも死力を尽くしたが、選挙日直前の「失言事件」なども影響して、ブラウンだけが敗れ去った恰好になった。それにしても、彼の失言「頑迷な」を表わす「bigoted」という単語、イギリス人でも「知らなかった」という人続出、そういう意味ではブラウン首相も最後に国民の啓蒙に一役買ったかも?
ちなみに18日、バッキンガム宮殿で新首相キャメロン氏の挨拶を受けたエリザベス女王、何と合計12名の首相に挨拶されたという記録を作ったとか。