2010年7月10日土曜日

パリのジャパン・エキスポ















今月1日から4日、フランスのパリでジャパン・エキスポが開かれました。このエキスポは、日本マンガやアニメ、ゲーム、音楽などのポップカルチャーをはじめ、伝統的な空手、弓道や茶道まで、ありとあらゆる日本の文化を楽しもうというイベントです。去年は16万人以上が訪れたジャパン・エキスポ、イギリスのMCMエキスポと比べて半端ない規模、盛り上がりで今年も賑わってました!


目立っていたのは、ナルトやブリーチ、ワンピースのコスプレイヤー。ジャンプ系は世界各国どこでも人気です。あと意外だったのが、ヴァンパイア騎士と黒執事。19世紀のイギリスを舞台にした黒執事は、あくまで『日本人が思い描くヨーロッパ像』を体現したマンガで歴史に忠実というわけではないので、フランスで受け入れられているのはちょっと不思議? その後、コンテンツメディアプロデューサーの桜井孝昌氏が司会を務めたトークショーで、「(黒執事のような)世界観はむしろオリジナリティがあっておもしろい」という意見がファンから出ていて納得。あらゆる要素を詰め込んだ日本のポップカルチャーのごちゃまぜ感がプラスに働いているようです。ゴシックファッションも魅力のひとつ。フランスのジャパンファッション好きは、オトナとコドモを合わせたコドナスタイル(フランスの造語らしい)がお気に入りです。











びっくりしたのは、フランス人のオタク上級者っぷり。ライブでは歌に合わせてペンライトや手を振って動かす、いわゆる「オタ芸」を披露していたし。モーニング娘。のトークショーでは「あいちゃーん」とかけ声をかけていたし。海外のオタクってどうやってこういうこと覚えてくるんでしょう? 日本独特の『アイドル』という文化がフランスでこうしてちゃんと理解されてるのが不思議です。伝道師みたいな人がいるんでしょうか。「オタクとはこうあるべき」を説いた『オタクの道』みたいなテーマの本があったら売れるかも(笑)。









意外に人を集めていたのが、紙芝居を披露していた漫画家学会の方々。「カミシバイ?なにそれ?」という感じでよくわかっていなかった人たちも、紙芝居師がしゃべり始めた途端に態度が一変。よく通る七色の声にみんな圧倒、聞く人を引きつける読み聞かせに立ち止まる人たちが続出しました。みんな興味津々で写真を撮ってました。マンガの原点ともいえる紙芝居のおもしろさがフランスのファンにも伝わるんですね。ちょっと感動。

海外のイベントで恒例のFree Hugsはジャパン・エキスポでも健在でした。意味は「ハグ0円」。Free Hugsは海外のオタクたち同士のあいさつという感じで、見知らぬ他人にも気軽にハグします。もっとイっちゃってる人たちは、Free KissだのFree Sexと書かれたプラカードを持ってました。オタク同士で盛り上がろう!という気持ちの現れなんでしょうが。まさか本当にやらないよね?

今回エキスポを見て、イギリスよりもフランスの方が日本文化に興味と理解があるなと感じました。でもフランス人のファンも日本人と同様、新しいコンテンツをいち早く手に入れたがっていることには変わりありません。常におもしろいコンテンツを発信すること、それをちゃんとしたビジネスとして成り立たせていくのが今後の日本の課題ではないでしょうか。