毎年6月になると、ロンドンではエリザベス女王の誕生日を祝うパレード「Trooping The Colour」が行われます。これは“公式の”女王陛下の誕生日を祝し、近衛兵が戦勝旗を持って行進するという大変愛国的なイベントです。捧げ持った赤い旗には、ワーテルローとかダンケルクといったイギリスが歴史的大勝を記録した戦いの名称が金糸で縫いとられています。正直、イギリスではこういう愛国的な催しはめっぽう多いのですが、もし日本でこんなことをやったら大変なことになるなあーと思ってしまいます(天皇の前で「硫黄島」とか「パールハーバー」とか「レイテ島」とか書いた旗を捧げ持って…なんて想像するだに恐ろしい)。
さて、本番は6月12日なのですが、5月29日と6月5日に予行演習をし、そのときにも観客を入れて入場料をとり、国家はちゃっかりビジネスをしています。今回は6月5日に見に行きましたがその時にはエリザベス女王は来なかったものの、夫であるエディンバラ公爵(日本ではフィリップ殿下の呼び名が有名)が来ていました。写真の、馬車に乗った人がご本人。もう80代のご老体、なんだかちょっとお気の毒でした。
さて、ロンドン子によればこのトゥルーピング・ザ・カラーの隠れた見どころがあるとか。それは、炎天下での2時間近いパレードで、近衛兵の中で必ず貧血で倒れる者が出る、という伝統。そう、近衛兵といえども当世の若者であることにかわりなく「前の晩飲みすぎて翌日気持ちが悪くなる不届き者が必ず出るよ」
はたして当日、この予言通り、式典半ばで一人の近衛兵が貧血を起こし、両脇を同僚に抱えられて退場する姿が目撃されたのでした。
ちなみに近衛兵のこの大きな黒い帽子はもともとはクマの毛皮だとか。暑いときには本当に大変。お役目ごくろうさま、といいたくなりました。また、馬に乗った衛兵のパレードでは、機嫌の悪い馬が首をぶんぶん回したり、糞をぼたぼた落とす姿を目撃! まあ、生き物ですから、王族の前であろうと観客の前であろうと、自然体です。でも騎手はちょっとばつが悪いかもしれませんね。
ちなみに近衛兵のこの大きな黒い帽子はもともとはクマの毛皮だとか。暑いときには本当に大変。お役目ごくろうさま、といいたくなりました。また、馬に乗った衛兵のパレードでは、機嫌の悪い馬が首をぶんぶん回したり、糞をぼたぼた落とす姿を目撃! まあ、生き物ですから、王族の前であろうと観客の前であろうと、自然体です。でも騎手はちょっとばつが悪いかもしれませんね。