2010年6月8日火曜日

女王陛下の誕生日パレード




毎年6月になると、ロンドンではエリザベス女王の誕生日を祝うパレード「Trooping The Colour」が行われます。これは“公式の”女王陛下の誕生日を祝し、近衛兵が戦勝旗を持って行進するという大変愛国的なイベントです。捧げ持った赤い旗には、ワーテルローとかダンケルクといったイギリスが歴史的大勝を記録した戦いの名称が金糸で縫いとられています。正直、イギリスではこういう愛国的な催しはめっぽう多いのですが、もし日本でこんなことをやったら大変なことになるなあーと思ってしまいます(天皇の前で「硫黄島」とか「パールハーバー」とか「レイテ島」とか書いた旗を捧げ持って…なんて想像するだに恐ろしい)。



さて、本番は6月12日なのですが、5月29日と6月5日に予行演習をし、そのときにも観客を入れて入場料をとり、国家はちゃっかりビジネスをしています。今回は6月5日に見に行きましたがその時にはエリザベス女王は来なかったものの、夫であるエディンバラ公爵(日本ではフィリップ殿下の呼び名が有名)が来ていました。写真の、馬車に乗った人がご本人。もう80代のご老体、なんだかちょっとお気の毒でした。
さて、ロンドン子によればこのトゥルーピング・ザ・カラーの隠れた見どころがあるとか。それは、炎天下での2時間近いパレードで、近衛兵の中で必ず貧血で倒れる者が出る、という伝統。そう、近衛兵といえども当世の若者であることにかわりなく「前の晩飲みすぎて翌日気持ちが悪くなる不届き者が必ず出るよ」
はたして当日、この予言通り、式典半ばで一人の近衛兵が貧血を起こし、両脇を同僚に抱えられて退場する姿が目撃されたのでした。
ちなみに近衛兵のこの大きな黒い帽子はもともとはクマの毛皮だとか。暑いときには本当に大変。お役目ごくろうさま、といいたくなりました。また、馬に乗った衛兵のパレードでは、機嫌の悪い馬が首をぶんぶん回したり、糞をぼたぼた落とす姿を目撃! まあ、生き物ですから、王族の前であろうと観客の前であろうと、自然体です。でも騎手はちょっとばつが悪いかもしれませんね。

2010年6月5日土曜日

チェルシー・フラワーショウ










5月26日に、恒例のチェルシー・フラワーショウの取材に行ってまいりました。長いおつきあいのある版元さんから急きょの依頼でカメラマンと現場に急行。なんとかインタビューと撮影をすることができました。

園芸の国イギリスは、フラワーショウといって、花や庭園デザインを展示する催しが大人気。中でもチェルシーは1913年に始まって以来、約1世紀におよぶ伝統を誇る、権威あるエキシビションです。

毎年前売り券もすぐに売り切れ、ゲートには当日券ならぬキャンセル券(連れが来られなかった人が売りに来る)を待つ長い列ができるほど。
今回はプレスパスで入場、日本から出展の庭園デザイナー・石原和幸さんを取材しました。

石原さんはチェルシーの常連で、何度も金メダルを取っていらっしゃる、日本屈指の庭園デザイナー。
今回は残念ながら銀メダルではあったものの、初日にはエリザベス女王が庭園を訪れ、ダイナミックに滝が流れる苔むした日本庭園に驚嘆、「あなたはまるで魔法使いみたいね!」とおっしゃったそうです。

ちなみに今回一等金メダルを受賞したのは、中央にオブジェをあしらった「地中海風庭園」でした。イギリスでは、細かく小さな花があちこちに群生している庭園が人気があります。






2010年6月3日木曜日

「首相は優柔不断なエイリアン、小沢は『影の将軍』」



また…ですか。そう思っているのは、日本人だけではありません。もはや「毎年の恒例」と化している日本の首相辞任ですが、今回のニュースはこんな見出しで登場しました。

「日本の『エイリアン』首相、米軍基地の約束破り、辞任する」

6月2日のイブニングスタンダード紙によるこの記事。「米軍基地移設の失敗を受け、優柔不断な首相のイメージがさらに悪化…過去4年の間に辞任した首相は、彼が4人目」また「国民からは、エキセントリックで親しみにくい『エイリアン』と呼ばれている」さらに「小沢一郎幹事長は『影の将軍』だった」などと報じられました。ちなみに、BBCも「影の将軍道連れ」などと報道し、日本でも話題を呼んでいるようですが…。

今朝のメトロ紙では元首相の「趣味の悪い」シャツが「340ポンド」もするとか、しないとか…ほかにも、タイムズ紙は「スキャンダルと不評が続き、優柔不断な日本の首相が辞任」テレグラフ紙は「たった8ヶ月で辞任」、「首相は優柔不断だった」など。当然のことながら、かなり批判的です。金曜には新しい首相が決まるとのことですが、がんばれ、ニッポン…円安は困ります。

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